Focusing on the Japan age Exciting Station Building:A clue from “Guidebooks of Taiwan Railway Tour”=日本時代から残る台湾鉄道駅舎についての考察ー『台湾鉄道旅行案内』を手掛かりにー
碩士 === 靜宜大學 === 日本語文學系 === 107 === 本論文は日本統治時期に台湾総督府鉄道部編纂になった『台湾鉄道旅行案内』を手掛かりにして、実地調査を行い、その結果をまとめたものである。『台湾鉄道旅行案内』の出版期間は大正5(1916)年から昭和17(1942)年までで、全部で12冊ある。本書は鉄道に沿いながら、台湾の観光地点を紹介する。その内容は記述の仕方及びとりあげた観光スポットにおいて各冊多少違っている。 台湾で最初の鉄道が敷かれたのは清朝統治時代末期の1891年で、基隆―台北間28.6 kmがこの時に開業した。1893年には新竹まで延長され、総延長は約100 kmとな...
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Format: | Others |
Published: |
2019
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Online Access: | http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/x72y2k |
Summary: | 碩士 === 靜宜大學 === 日本語文學系 === 107 === 本論文は日本統治時期に台湾総督府鉄道部編纂になった『台湾鉄道旅行案内』を手掛かりにして、実地調査を行い、その結果をまとめたものである。『台湾鉄道旅行案内』の出版期間は大正5(1916)年から昭和17(1942)年までで、全部で12冊ある。本書は鉄道に沿いながら、台湾の観光地点を紹介する。その内容は記述の仕方及びとりあげた観光スポットにおいて各冊多少違っている。
台湾で最初の鉄道が敷かれたのは清朝統治時代末期の1891年で、基隆―台北間28.6 kmがこの時に開業した。1893年には新竹まで延長され、総延長は約100 kmとなった。軌道幅は1067ミリを採用した。
日本統治時代(1895年~1945年)に、鉄道施設は台湾総督府によって管理されていた。しかし、清国が設けた鉄道施設はあまりにも未熟な設計で、線路規格が低く、大型輸送手段にはなり得なかった。そのため、日本統治時代に入ってから多くは新たな路線に変更された。
かつて、台湾の陸上交通は不発達で、南北鉄路の開通をきっかけに、台湾島内の鉄道の基礎が完全になった。実際、その後台湾旅行に関する案内書もどんどん出版された。こういうことで以前台湾にはなかった「旅行」という概念もひろがったのである。
台湾鉄道関係研究の出版として、近年は片倉佳史の『台湾鉄路と日本人』『台湾に残る日本鉄道遺産』『台湾 日本統治時代の歴史遺産を歩く』などがある。鉄道の歴史についての考察が詳細である。『台湾鉄道旅行案内』に触れながら、簡単に台湾駅舎の歴史、駅舎の概況と周辺風景などを考察し紹介している。
本論は日本統治時代から残っている現存の駅舎について考察する。現在でも、日本統治時代に建築された路線の駅舎には、当時の建物をそのまま使用している所がまだ数多く残されていた。駅舎も日本時代の様子を維持している。それらの駅舎の外観はどのように変化したか、あるいは新しい駅舎が建築された後、旧駅舎の運命はどうなっているか、それらを考察の課題とする。
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