文化理解を中心とした日本語授業の実践的研究―台湾のF高校での第二外国語におけるコースデザインを例に―Practical research on a Japanese lesson based on cultural understanding - The course design for second foreign language learning in Taiwanese  F high school as an example-

碩士 === 東海大學 === 日本語言文化學系 === 102 === 本稿では筆者が携わったF高校における第二外国語の日本語教育のコースにおいて、文化理解を中心とした二年間の実践研究である。普通高校の第二外国語の授業の学習者は授業時間数が少なくて市販の教材も合わないという問題点を深刻にあげられ、文法中心の教授方法は第2外国語における日本語教育においては再び検討する必要があると考えられる。本稿で述べる文化理解を中心とした日本語授業は、文化領域についての気づきや発見、比較、言語の文化背景を意識させるという学習目標に達成することを目的としている。文化理解の授業を通して学習者の日本語の学習に役に...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: CHIA, CHIH-LING, 賈志琳
Other Authors: 工藤節子
Format: Others
Published: 2014
Online Access:http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/85704501692685699160
Description
Summary:碩士 === 東海大學 === 日本語言文化學系 === 102 === 本稿では筆者が携わったF高校における第二外国語の日本語教育のコースにおいて、文化理解を中心とした二年間の実践研究である。普通高校の第二外国語の授業の学習者は授業時間数が少なくて市販の教材も合わないという問題点を深刻にあげられ、文法中心の教授方法は第2外国語における日本語教育においては再び検討する必要があると考えられる。本稿で述べる文化理解を中心とした日本語授業は、文化領域についての気づきや発見、比較、言語の文化背景を意識させるという学習目標に達成することを目的としている。文化理解の授業を通して学習者の日本語の学習に役に立ち、その上、異文化への好奇心を育て、文化間の相違及び共通性に着目して様々な角度から分析したり他者を尊重する態度を育成させたい。そして、多様な日本文化について理解すると同時に、自らの台湾の文化の良さにも関心を持ち、より深く理解していくようにする。 また、文化理解を目標を掲げることで、評価方法も従来の筆記試験ではなく、学習者の自己評価、相互評価、パフォーマンス、学習記録ノート、作品、、ルーブリック、ポートフォリオなどの評価方法をとりあげた。例えば、学習記録ノートを通して学習者が理解したことや学習の変化などを明確に知ることができた。なお、学習者を効果的に支援し、学習を促進することを目的としてポートフォリオを通し、学習をサポートしてより効果的に学習するために、学習の終了後ではなく、その過程で評価することにした。すなわち教師中心の評価から、学習者中心の評価に重心が変化したと言える。最後に、授業の内容、評価方法、及び学習目標を達成したのかを確認するためにアンケート調査をした。アンケートの結果から見ると、例えば、問15「今後機会があれば、また日本語授業を選択したい」という設問で、「とても同意」は52.3%、「同意」は43.1%を得ることができたことは今回の日本文化理解を中心とした日本語授業が成功したと言える理由の一つである。 今回の実践研究では、高校における日本語教育の教学方針や評価方法などを明らかにした。文化理解を中心とした学習目標を通し、また、適切な評価方法を選択すれば学習者の学習意欲を上げることができ、多元文化に対する柔軟と尊重という態度も養うことが可能である。学習は複雑な過程で、今後、多元化な教材、インフォメーション、教授方法、評価方法などに対応することが必要である。今後も好奇心を持っている高校生の学習者に様々な日本文化に触れさせ、興味や関心を喚起し、学ぶ動機も持ち続けることを目指した教育実践を続けたい。 キーワード:第二外国語、文化理解、コースデザイン、評価方法、ポートフォリオ