日本語学習者における複合動詞に関する習得状況の一考察―台湾人学習者を対象にして―
碩士 === 長榮大學 === 應用日語學系碩士班 === 99 === 本論は、「動詞 + 動詞」 といった 2 つの動詞が結合した複合動詞に関して、日本語学習者がどのように習得していくのかを考察するものである。複合動詞は、日本人の会話や文書などにおいてよく現れるとされている。しかし、学習者向けの教科書を調べると、複合動詞の語数はかなり少ない。そのためか、学習者の複合動詞に対する使用の回避や誤用の傾向がしばしば見られる。本論では、台湾人日本語学習者が複合動詞に対して、どのような過程を経て習得していくのか、また習得過程上にどのような要因が影響するのかを解明したい。 本論では、寺村 (198...
Main Authors: | , |
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Other Authors: | |
Format: | Others |
Published: |
2011
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Online Access: | http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/62674960738331583597 |
Summary: | 碩士 === 長榮大學 === 應用日語學系碩士班 === 99 === 本論は、「動詞 + 動詞」 といった 2 つの動詞が結合した複合動詞に関して、日本語学習者がどのように習得していくのかを考察するものである。複合動詞は、日本人の会話や文書などにおいてよく現れるとされている。しかし、学習者向けの教科書を調べると、複合動詞の語数はかなり少ない。そのためか、学習者の複合動詞に対する使用の回避や誤用の傾向がしばしば見られる。本論では、台湾人日本語学習者が複合動詞に対して、どのような過程を経て習得していくのか、また習得過程上にどのような要因が影響するのかを解明したい。
本論では、寺村 (1984) を踏まえ、複合動詞を 「動詞が元の意味を保持しているか否か」 によって 4 つに分類し、プロトタイプ理論 (Rosch 1973) を援用して、4 つに分類した複合動詞の習得難易度について、仮説を立てた。そして、仮説が妥当であるかどうかを検証するため、穴埋めテストと多肢選択テストを用いて台湾の大学に在籍している学習者を対象に調査を行った。
調査の結果、問題形式によって、複合動詞の習得順序に異なりが見られた。そのため、いったいどのような要因が学習者の習得に影響を与えているのかを考察した。結果、「自他動詞の結合条件」 や 「母語の干渉」、「単に動詞に対する理解不足」、「前項動詞と後項動詞を逆して回答したこと」 などの様々な要因によって複合動詞の習得が困難になるということが明らかになった。
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